肌の上にひとつできただけでも、驚くほどの存在感を発揮するニキビ。コンシーラーで上手にカバーしているうちに治ればいいですが、それによって悪化したり、広がってしまったりすることもあります。そこで今回は、知っておきたいニキビに関する知識をまとめました。
Index
ニキビの種類は全6種類
ニキビの種類は全部で6つ。コメドに始まり、白ニキビ、黒ニキビ、赤ニキビ、黄色ニキビといった4色のニキビと、大人ニキビです。ニキビの色は進行レベルによって変化するもので、同じニキビではありますが治療法が異なるため分けて考えられています。
大人ニキビは進行レベルに関係なく、成人以降に発生するいわゆる「吹き出物」のこと。思春期ニキビとは発生原因も場所も異なるため、違う種類のニキビとして分けられています。
それぞれの特徴と改善方法をご紹介しましょう。
① コメド|ニキビの赤ちゃん
まだニキビと呼ぶほどではないものの、小さくポツッと膨らんだ状態のものを「コメド」、日本語で「面ぽう」と呼びます。毛穴が詰まって、中に皮脂が溜まり始めている状態です。
毛穴に詰まりやすい化粧品はコメドを発生させてしまうため、「ノンコメドジェニック」の化粧品を意識して買っている人も少なくないでしょう。このように使用する化粧品をチェンジするだけでも予防対策ができるレベルのニキビです。
② 白ニキビ|皮脂が詰まって膨らんだ状態
白ニキビは、ニキビとしてしっかり目視できるほど大きくなったニキビを指します。コメドを放置して膨らむ場合もありますが、白ニキビの状態から始まる場合のほうが多いでしょう。
まだ毛穴の詰まりによって毛穴の中に皮脂が溜まって膨れ上がっているだけの状態で、炎症は始まっていません。この時点で適切な対策を講じれば、痛みやかゆみなく、ニキビ跡にもならずに治すことができます。
③ 黒ニキビ|皮脂が酸化して黒く変色
白ニキビの白い部分は皮脂。毛穴に溜まった皮脂が薄い皮膜から透けて見えている状態が、白ニキビです。黒ニキビは、この白い皮脂の部分が酸化して固まっている状態を指します。
黒ニキビも、まだ炎症は始まっていません。白ニキビ同様、ていねいに治療すればキレイに治せるでしょう。しかし黒ニキビまで進行すると、酸化して固まった皮脂が毛穴を押し広げてしまうため、見た目に目立つということだけでなく、かゆみを感じて潰してしまう人も多いようです。
ニキビ跡を残さないためにも、潰さずに治療しましょう。
④ 赤ニキビ|毛穴の中で炎症が発生
白ニキビや黒ニキビを放置すると、毛穴の中で増殖したアクネ菌と肌の細胞が接触。免疫反応によって、炎症が起こります。その結果できるのが、赤ニキビです。炎症ニキビとも呼ばれています。
赤ニキビにまで進行すると、痛みやかゆみ、熱を感じることも。白ニキビや黒ニキビをケアしても治らず赤ニキビにまで進行してしまった場合、ケアを中断して皮膚科で診察を受けましょう。
⑤ 黄色ニキビ|毛穴に膿が溜まった状態
炎症を起こした赤ニキビがさらに進行すると、毛穴の中に皮脂ではなく膿が溜まって、黄色く変色します。この状態が黄色ニキビです。黄色ニキビが発生してしまったら、下手に触らずすぐに皮膚科へ。パンパンに膨れ上がっているため、少し触っただけでも破裂してしまう可能性があります。
⑥ 大人ニキビ|ストレスや生活習慣が原因で発生
十代の頃にできるニキビは思春期ニキビと呼ぶこともありますが、基本的に「ニキビ」といえば思春期ニキビのこと。成人を過ぎてから発生するニキビ、いわゆる「吹き出物」のことを大人ニキビと呼びます。
大人ニキビと思春期ニキビが分けて考えられている理由は、発生原因が異なるから。発生原因が異なれば予防対策、治療方法が変わってきます。少し話がずれてしまいますが、その特徴を解説しましょう。
・大人ニキビの特徴① 繰り返し同じ箇所にできる
思春期ニキビの場合、一度治療をすれば同じ場所にニキビが再発することはあまりありません。しかし大人ニキビには、一度発生した場所に何度も繰り返し発生するという特徴があります。
・大人ニキビの特徴② Tゾーン以外にできる
思春期ニキビが最もできやすいTゾーン以外にできる大人ニキビ。大人ニキビが発生しやすい場所として、フェイスラインや頬、首、デコルテといった場所が挙げられます。十代であってもTゾーン以外に頻繁にできる場合、大人ニキビに近い性質のニキビである可能性もあります。
ニキビの原因は毛穴の詰まり
これら6種類のニキビは、すべて毛穴の詰まりが原因。何らかの理由で出口を塞がれてしまった毛穴に皮脂が詰まり、膨れ上がった状態がコメドや白ニキビ。毛穴に詰まった皮脂の中で増殖したアクネ菌によって炎症を起こしている状態が、赤ニキビ、黄色ニキビです。
アクネ菌はニキビ肌だけでなく、トラブルのない肌にもいる菌、いわゆる“常在菌”ですが、ニキビになるか否かを左右する原因は、主に2つあります。
① 皮脂の分泌量が多い
毛穴の出口が塞がってしまっても、皮脂の分泌量が少なければニキビに発展しません。しかし皮脂の分泌量が多ければ多いほどすぐに皮脂が溜まってしまうため、白ニキビに発展しやすくなるのです。
皮脂の分泌量が多い=脂性肌ではなく、逆に肌がひどい乾燥状態にあることで皮脂が多く分泌され、ニキビが繰り返しできている場合もあるので、間違えないよう、自分の肌状態をしっかり確認しましょう。
② アクネ菌の数が多い
アクネ菌の数が少ない人は、アクネ菌が肌細胞と接触しないうちに治ってしまうことが多いため、できても白ニキビや黒ニキビで終わるでしょう。
アクネ菌が多い人の場合、アクネ菌と肌細胞が接触してしまう可能性が高いため、短期間で赤ニキビに発展しがちです。そうは言っても安易に殺菌スキンケアに手を出してしまうと、ニキビ以外の肌トラブルが発生する可能性も。ひどいニキビを繰り返している人は、皮膚科で相談してみましょう。
赤ニキビ・黄色ニキビは皮膚科へ
ニキビは「尋常性ざ瘡」という立派な皮膚の病気。白ニキビ、黒ニキビの段階では毛穴に皮脂が詰まっているだけなのでセルフケアでも問題ありませんが、赤ニキビ、黄色ニキビにまで発展してしまった場合は、ニキビ跡が残りやすいため、皮膚科で診察を受けた方が安心です。
ニキビの治療だけでなく、ニキビ跡予防策についてもしっかり相談して治療しましょう。
ニキビを作る習慣と改善策
ニキビができる主な原因は、生活習慣の乱れ、月経などによるホルモンバランスの乱れ、肌の乾燥が挙げられます。皮脂分泌が活発なことが原因の思春期ニキビとは異なり、大人のニキビには複合的な原因が潜んでいるのです。それぞれの特徴と改善策を解説しましょう。
・ニキビを作る習慣① 乱れた食生活
大人ニキビと食生活は密接した関係にあります。食べ過ぎ、食べなさすぎ、不規則など食生活の乱れにはさまざまなパターンがありますが、どのパターンでも食生活習慣が乱れると、ニキビ肌に陥りがちです。
よくありがちなのが、ダイエットの影響で腸内環境が悪化し、その影響で肌が荒れてしまうパターン。極端な食事制限をしてしまうと、それがそのまま肌荒れに繋がります。
・解決策→「腸内環境+ビタミン」を意識
不規則な食生活が続いている人は、まず規則的に3食食事を摂るところから始めてみてください。食べてしっかりと胃腸を動かすことが大切なので、内容よりも食べることを優先してOKです。
規則的に食事をする習慣が身に着いたら、「腸内環境改善に繋がる食べ物」「ビタミンが豊富な食べ物」を選んで食べるようにしていきましょう。必ずしも自炊する必要はなく、コンビニやスーパーで売っている食べ物でも問題ありません。
腸内環境改善に繋がる食べ物は、発酵食品(納豆、ヨーグルト、みそなど)や食物繊維がたっぷり含まれている食品(海藻、もち麦など)が挙げられます。ビタミンは野菜や果物から摂るのが理想的ですが、野菜ジュースや栄養ドリンクなどを活用しても問題ありません。
いくつか食べたい物をチョイスして、その中から最もこれらに近い食べ物を選んで食べるようにしてみてください。
→<ニキビの原因は食事⁉︎コンビニ食材でもできるニキビ肌改善策>
・ニキビを作る習慣② 慢性的なストレス
慢性的なストレスも大人ニキビをつくる原因です。人の体はストレスを感じると、防御反応を起こします。それによって体内にあるビタミンが必要以上に消費されて栄養不足に陥り、肌まで栄養が回らなくなってしまうのです。
・解決策→ストレス発散方法を見つける
ストレスと上手に付き合うのは難しいですが、「何がストレス発散に繋がるかわからない」という人は、誰かと話をする、好きなものを食べる、体を動かすなど、手軽にできることから試してみましょう。それだけでもスッと心が軽くなるはずです。
しかしストレスをお酒で紛らわすことはNG。誰かと楽しむお酒はストレス発散にも繋がりますが、一人で飲むお酒はストレスをごまかすだけで、発散できていません。結果、ストレスを蓄積していくだけでなく、アルコールで腸内環境や肝機能を悪化させる要因に。
それが肌荒れやニキビの原因になってさらにストレスを抱えていては、本末転倒になってしまいますね!
・ニキビを作る習慣③ 間違ったスキンケア
美肌になるために頑張っているスキンケアも、方法を間違ってしまえばニキビの原因になります。よくある間違いが「皮脂の落としすぎ」。メイクをしっかりと落とすために洗浄力が強めのクレンジング剤を毎日使っていたり、肌のくすみやごわつきが気になってピーリングをやりすぎていたりすると、肌を保護するための皮脂すら肌から奪い取り、肌が乾燥してしまいます。
そうすると肌を乾燥から守るために、皮脂を通常より多めに分泌。その過剰分泌された皮脂が毛穴に詰まることで、ニキビを作ってしまうのです。
・解決策→摩擦レスで、しっかり保湿
ニキビを繰り返している肌に必要なものは、高級な美容液よりも「摩擦レスなケア」。日常的な摩擦ダメージが蓄積して弱っている肌を労う気持ちで、優しく触れることを心がけてみてください。
クレンジング剤や洗顔料は、これまでよりも少し多めに手に取りましょう。泡立てる必要のある洗顔料は、しっかりたっぷり泡立ててから使うのがオススメ。それらを肌に乗せたら、肌と指が接触しないように、クレンジング剤or洗顔料そのもので肌を撫でる感覚で汚れを落としてください。
ていねいな洗顔が終わったら、保湿することもお忘れなく。脂が浮いているのは乾燥している証拠なので、肌がしっかり水分を蓄えられるよう意識しましょう。
・ニキビを作る習慣④ マスクによる肌荒れ
着用する機会が激増したマスクが、ニキビの原因となっていることも。マスクで口のまわりが蒸れてしまったり、擦れてしまったりと、マスクには肌荒れの原因要素がたくさん詰まっています。そうは言ってもマスクをしないと生活できないため、上手に付き合う方法を探るしかありません。
・解決策→肌&生活に合ったマスクを選ぶ
マスク肌荒れのストレスから脱するためには、肌に優しく、生活スタイルに合ったマスクを選びましょう。たとえば美容効果が期待できる保湿機能のあるマスクは、口まわりが乾燥している人にとってはプラス効果。しかし口のまわりが蒸れることで肌トラブルが起きている場合には逆効果です。蒸れによる肌荒れが原因の場合は、速乾性のあるマスクを選ぶといいでしょう。
不衛生なマスクを使うことも肌荒れの原因になるため、マスクの洗濯が面倒な人は使い捨てマスクを使ったほうが良い場合もあります。マスクの素材が肌に合わない場合は、インナーマスクを仕込むなどして対策を。
今はさまざまなマスクアイテムが販売されていますので、悩みに合ったマスクやアイテムがないか探してみると、意外な発見があるかも知れませんね!
→<【対処方法】マスク肌荒れが急増!肌荒れ防ぐ対処法をご紹介!>
まとめ
ニキビの原因がわかったところで、これまで続けてきた生活習慣を突然変えるのは至難の業。食生活が乱れているにはそれなりの理由があるでしょうし、スキンケアアイテムを買い替えるのもそれなりのコストを要します。
そこで提案したいのは、一度にすべての生活習慣を変えるのではなく、できるところから始めてみること。ひとつできればもうひとつ、といったふうに少しずつニキビの原因となる生活習慣を改善していきましょう。そうすればきっと、ストレスを溜めずに美肌習慣を身につけられるはずです。